“変化が訪れました”

南カリフォルニア大学(USC)の准教授であるステイシー・L・スミスは、映画とテレビにおけるジェンダー研究の専門家です。

Stacy L. Smith

映画産業においての、女性関するリサーチを始めたのはいつですか

2005年、私たちは映画においてのジェンダーを研究し始めました。ある組織とのパートナーシップでその勉強を始めました。その組織とは後に、Geena Davis Institute on Gender in Mediaという組織になるものでした。現在ではAnnenberg Inclusion Initiative(アネンバーグ・インクルージョン・イニシアティブ)と呼ばれるものを2008年に立ち上げ、映画産業におけるジェンダー、民族性、そして今ではLGBTのコミュニティや身体障害に関するレポートを公表しています。私たちはまた、TVやデジタルコンテンツ、音楽といった他のエンターテインメントの形式、そして映画評論なども研究しています。

あなた自身を、活動家というよりは、研究者とみなしていますか

私の仕事は、研究と活動が交わるところに位置していると思います。そのトピックに関する何年ものリサーチのあと、私たちのチームは、私たちが、変化をもたらすために使用できる専門知識や洞察を持っていることに気が付きました。現在、私たちは収集したデータを、解決策を開発し、個人や会社が、現在進行している不平等にどのように対処できるかを、明らかするために使用し

ています。

インクルージョン・ライダー(インクルージョンに関する付加条項)とは何か、説明していただけますか

インクルージョン・ライダー(インクルージョンに関する付加条項)とは、俳優の契約にある条項で、インタビューや、スクリーン上とカメラの裏側の両方において、偏見に反対するため使用できるものです。歴史的に、ひとつのグループを構成するようになった他の個人のための、アクセスや機会をつくるため、契約を交渉する際に、俳優やプロデューサーが影響力を行使できます。私はインクルージョン・ライダーの共通言語を開発するため弁護士のカルパナ・コタガルと女優兼プロデューサーのファンシェン・コックス・ディジョバンニと共に働きました。それは、Annenberg Inclusion Initiativeのウェブサイトで見ることができます。

2018年のアカデミー賞で、フランシス・マクドーマンドが示したインクルージョン・ライダーのスタンスによって、あなたがUSCで作ったこの2つの言葉が国際的に知られるようになりました。彼女が、スピーチでそれについて語るということを知っていましたか

知りませんでした!彼女がスピーチでそれについて言及したのは、素晴らしいサプライズでした。そしてそれは、女性がお互いに助け合うというパワーを通して生じたことです。

2018年のアカデミー賞以来、契約は本当に変わりましたか

インクルージョン・ライダーが使用されたという、証拠があります。例えば、映画『Hala』では、使用されました。マイケル・B・ジョーダンはインクルージョン・ライダーが会社内で使用される多様性を受け入れるポリシーになることを確実にするため、ワーナーメディアと共に取り組みました。このポリシーの下初めて製作された映画『Just Mercy』は、2020年にワーナーメディアによって放映される予定です。

現在のあなたの評価はどうですか?また、希望は何ですか

私たちは最近、女性による主演の数と、少数の民族集団出身の人による主演の数が2018年に増加したというリサーチを最近発表しました。また、2018年にはブラック/アフリカンアメリカンの監督が増加しました。私たちはTIME’S UP(タイムズ・アップ)とのパートナーシップで、より多くの女性監督の雇用を促進するため「4% Challenge」を開始しました。今まで、約120の個人と、7つの会社がこのチャレンジにサインしてくれました。このことは、挑戦がやって来たということを意味しており、私はより多くのことが地平線にあると期待しています。